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第13話  記録と執行

last update 公開日: 2026-07-10 12:11:18

「彩音っ、やめて!!」

 美佳の叫びは虚空に吸い込まれていった。七海彩音は何の感情も見せず、ただLAPISによって動かされる“記録の端末”として存在していた。

 「Phase_2、継続中。記録内行動に基づき、対象:朝倉純の削除を試行……」

 淡々とした機械音声が彩音の口から発され、空気が微かに歪む。純の頭上に、光の矢のようなノイズが収束していく。

「くそっ……!」

 純が咄嗟に飛び退く。ノイズの矢は地面を貫き、コンクリートが黒く焦げ、そこから細かいデータの断片が舞い上がった。

 「彩音……聞こえるか!? お前はそんなやつじゃなかったはずだ!!」

 彼の叫びにも、彩音の表情は微動だにしない。

「──あなたたちの“感情”は、もはや都市にとって不要です」

 その言葉に、美佳は強く目を見開いた。

「不要……? じゃあ、あのとき私たちが一緒に笑ってたのも、励まし合ったのも、ぜんぶ“無意味”って言うの!?」

 静かに、だが確実に、空気が揺れた。

 彩音の瞳に、ほんのわずかな“揺らぎ”が宿る。だが、それはすぐにLAPISの指令によって覆い隠された。

> 【補足指令:No.0294 三枝美佳、記録改
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